その後、動悸が激しく続いている。
診察時、先生に産業医面談の話をしたら、行くように言われた。
そして当日を迎えた。
目次
指定の産業医面談の場所へ
夜中に腹痛で目が覚めた。
そのまま、辛くて眠れなかったので、ずっと起きていた。
精神的にではなく、からだ的にキャンセルしたい。
おかしな話だけど、休職してから初めて「欠勤したい程、体調が悪かった」
今日の面談は、私が具合悪いと言えば、簡単にキャンセルできるとは思う。
ただ、逃げたくない気持ちと、片付けてしまいたい意地があった。

時間が来たから、家を出て車に乗って目的地に行った。
交通費が出ないことがわかっていたので、「近くのスーパーに車をとめて、買い物をして帰ろう」そう決めている。
余計なことは考えないようにして、とにかく「約束の時間に目的地に着く」ことだけを思うと、自然に手と足が動いた。

駐車場に車を停めて、会社に向かって歩いている時に、会社に入る為の入館証を忘れてきたことに気づいた。
「会社に行く」という、当たり前のことから、すっかり遠ざかっていた自分を実感。
待ち合わせ場所を「会社の前」にしておいて良かった。

待ち合わせ時間より、15分程早く着いてしまいそうだった。
スタバに寄って(寄っただけ)コーヒーの香りに癒され
「家に帰ったら絶対コーヒーを飲もう」と心に決めてスタバをでた。
スタバを出ると、直接デパートの中になっている。
スタバといい、デパートといい、すっかりクリスマスな外の様子を感じながら、「ウィンドウショッピングをしてる人のつもり」になって歩いてみたけどムリ。

会社のビルに近づくにつれて、すれ違う人が、知人に思えてきた。
目が合ったら「あー、久しぶり、どうしてるの?」と話が始まうかもしれない。
そんな妄想をしてしまい、とっさに誰とも目を合わせないように、下を向いて早歩きした。
とうとう、着いてしまった。
まだ待ち合わせ時間まで5分以上あると思う。
無性に隠れたくなってきて、キョロキョロ。
「隠れられて」かつ「待ち合わせの場所」といえる所を探した。
そして階段の下で「頭隠して尻隠さず」のような感じになって、上司が私を見つけてくれるのを待つことにした。

こんな感じの階段の下で、向こうを向いて待った。
感動の再開
私は迎えに来てくれることになっている、上司のことが大好きだ。
上司と言っても、同僚みたいに仲が良かった。
遠くからコツコツコツ…とヒールの音がして。

おひさしぶりー。
お元気そうですね。

わー、久しぶりー。
なんか私たち何も変わってないみたい。
ふつうに毎日仕事に来てて、今も仕事してるみたい。
こうして久しぶりにあっても、全然何も変わらないよぉ~。
そう言いながら、私はコロナの事は全然かんがえもせず、上司の手を握った。
上司も、握り返してくれた。

途中まで2人で手をつなぎながら、産業医面談の部屋の前に向かった。
一緒に歩いていると、知っている人に何人かあった。
一人ではなかったのをいいことにして、会釈だけして、その場を通り過ぎた。

どうやら上司は、私を産業医に合わせる為の「橋渡し」として、出迎えてくれたらしい。
産業医面談は初めてじゃなかった。
以前、気の合う産業医がいた頃があって、その人には何かと相談にのってもらっていた。
今日、会う産業医は初めての人…。
産業医面談が始まると、用があるからと言って、いなくなってしまった。
初めて会う産業医との面談


・病気になったきっかけは…
・今の仕事の何がそんなにつらいんですか
・復職するとなったらどうですか

何かのきっかけで、なったというものでもなくて、中間管理職になってから積もり積もってきたものだと思います。
ブランクがあいてしまったので、復職できるか自信ありません。

・外に出てるんですか
・家事はできるんですか
・睡眠リズムは
・この紙をお渡ししておくので、来月までにできるようにっていないと退職ということになりますから。

・外には出ていません。
・家事は、やる気はしないけれど、できます。
・睡眠リズムは今きちんとできていなくても働くなら、ちゃんとします!、してみせます!

そして、この「スムーズな復職のために~復職を考えた時のチェックリスト~」を受け取った。
ハッキリ言って無理じゃん…。
仕事しながら昼寝はさすがに、しないだろうけど…。
→いや、してたし…
毎日出勤シュミレーション?図書館を使って毎日通勤の練習をする…。
→やだし
仕事をしたいと自然に思えていますか?
→思えていません
再発を予防するための方法?
→ないし、またすると思うし…
退職時に、文句を言わせないようにする為に、心の準備をしておけってことか…

入社以来、大好きだった以前の上司が、そこでノートパソコンを開いていた。
私が涙目だったからか、心配そうに話しかけてくれた。でも…

あっ!
あのぅ、なるべく人に合わないで外に出るにはどこから出ればいいですか?
と言い、道を教えてもらった。
「あとでLINEするからね…。」
と言ってくれた。
本当に、この会社には大好きな人がたくさんいる。
人間関係では最高に素敵な会社。
みんな大好きだ。
そう思う程、恐らく復帰できない今の自分の状況が悲しすぎる…。
外に出るまで、なるべく誰とも顔を合わさないようにして、足早にデパートの人混みに紛れた。

街の雑踏に紛れたら安心した。
いつものスーパーに入ったら、もっと安心した。
産業医面談を提案された理由について考えてみた。
退職期限が近付いているので、退職間際になってから異議申し立てをされると困る。
だから、退職まで期間があるうちに、復職可能な条件を提示しておこうということだった。
ようするに、辞める為の階段ってことか…
そんなことを考えながら、駐車場代分の買い物をして家に帰った。
産業医面談が終わったら、心が安らかになった。
家に帰ると、落ち込むわけでもなく、不安になるわけでもなく、ひと仕事終えたように安心した。
不思議なことに動悸も、気にならなくなっていた。

どうせ、社交辞令だろうと思っていたら、本当にLINEがきた。
とっさに私は、「会えて嬉しかった」と送った。
当然、向こうからもそういう返事が来た。
で、その先の話が続けられない…。
その後、3回くらいメッセージが送られてきたけど、返す言葉が見つからない為、既読にする勇気もなくスルーした…。
うつ病と診断されてから、自分がちょっと変わったと思うところがあって…
今回の産業医面談でハッキリわかった。
- 会社での待ち合わせで隠れようとした自分
- 会社で知人にあうのを避けようとして下を向いて早歩きした自分
- 会社で知っている人にあっても、話をしようとせず避けた自分
- 面談が終わって、逃げるようにその場を離れたいと思った、そして離れた自分
- 上司からLINEがきて、まともに返信せず、会話を終わらせようとした自分
こんな感じ事が、いままでもあったんです。
会社とは無関係な友達からのLINEにも、まともに返信できない自分がいた。
放っておいて欲しい
誰とも話したくない
話したってどうせわかってくれないから
話すの面倒なの
放っておいて
誰にも合いたくない
誰とも顔を合わせたくない
お願いだからひとりでいさせて
無意識のうちに、そう感じていたことが、ハッキリわかった。
やっぱりわたし、うつなのかな…。

読んで下さってありがとうございます。
良かったらポチっとしていただけると
はげみになります。